平和学習に力を入れている京都府立福知山高校。
今回は沖縄戦の実相と米軍基地問題に焦点をあて、“未来につなぐ平和学習“としてプログラムを構成し、“嘉手納基地”と“普天間基地”があるフィールドを舞台にクラス毎に分かれ実施しました。
【5組 嘉数高台公園】
6月23日、沖縄県では祈りに包まれる日。慰霊の日が近いこともあり、嘉数高台公園にある慰霊塔にはたくさんの千羽鶴が供えられていました。
京都の塔を目の前に、日本軍の中には京都出身が多くいたことを知り、碑の前でみんな一斉に黙とうを捧げました。
陣地壕だった「トーチカ」の中にも入り、小さな穴から顔を出せば銃弾の嵐、ちょうど梅雨時期の今のような気候の中、過酷な環境下で戦っていたのだと感じた様子でした。
展望台付近にはカメラを持つ複数の方々がおり、軍用機が飛び交う様子をキャッチしている光景を目の当たりにし、“日々見続けている人がいる現状”を知り、記録を残し、体験を次世代に伝えることの意味がとても重要であることを学びました。
【6組 沖縄市コザ】
「どのあたりが基地なんですか?」フィールドワーク中に生徒からの疑問の声。
スタッフと一緒に、沖縄とアメリカの境界線を見に行きました。
“許可のない立ち入りを禁ずる”の日米表記の看板を見て、沖縄の人はフェンスの敷地に入れないこと、ガードマンが立っている様子、あまりに広い敷地面積にリアルな沖縄を垣間見た瞬間でした。
「中国やアメリカの関係においてなぜ基地が必要なのか?」
「基地の中の施設はどうなっているのか?」「なぜコザ暴動が起こったのか?」
などガイドさんの説明や歴史資料館の展示物を見てたくさんの質問が飛び交いました。
ワークショップでは米軍基地があるメリット、デメリットを分析し、
「報道に偏りがあるのかもしれない」「基地があることによって本当に防衛なのか」
と無関係ではない、という意識が芽生えた様子でした。
中でも印象的だったのは、「舞鶴港から出発した京都出身者がいたのかもしれない、知らないだけで祖父母の世代で沖縄戦に関わった京都の人は多いのかも。未だに怖くて言えず世間には知られていないのかもしれない」と伝えてくれた生徒さん。
事後学習でぜひ京都と沖縄戦について深堀してほしい課題だと思います。
6月になると、ぜひ慰霊の日を思い出して京都からも平和を希求する想いを届けてほしいと願うばかりです。