自国の文化と観光をどのように結びつけるか
2023年1月26日から2月2日の8日間にわたり、南太平洋島しょ国(フィージー・ソロモン・パラオ)から日本文化・観光をテーマに、南大洋州大学でツーリズムを学ぶの学生18名、引率1名が来日しました。東京都内および高知県で多様な日本文化、自治体の観光への取り組みの姿に触れ、同じく、海に囲まれた自国の観光への取り組みにどのように結びつけるかのヒント、気づきをたくさん持ち帰りました。
都内での最初の訪問先は、「太平洋諸島センター」。日本と南太平洋島しょ国との、経済、貿易、観光における連携、関係についてレクチャーを受けました。日本の科学技術、宇宙への取り組みを体験できる科学未来館、最先端技術とアートを組み合わせ、からだでアート体感するチームラボプラネットなど様々な施設等を訪問。また浅草、浅草寺、明治神宮参詣では日本の伝統文化に触れ、そこにも多くの外国人が訪れる様子にも衝撃をうけていました。スカイツリーや現代のポップカルチャーを代表する秋葉原なども巡りました。
空路高知に向かいました。高知県庁を訪問。地方の自治体が観光、インバウンドにどのように取り組んでいるかをたっぷり学びました。高知と同じく海と砂浜を持つ自国の産業とも照らし、質疑応答にも熱がはいりました。地元のものをどれだけアピールできるかは、地元だけではなく、外からのアイデア(たとえば地域おこし協力隊、I ターン 移住者など)をどんどん取り入れていく取り組みが興味深かった様子です。
高知大学の訪問では同年代の学生との交流会を実施しました。高知大の学生さんがすべて企画。司会、進行も通訳を介さず、自分達で行いました。最初は緊張気味でしたが、よさこい踊りと南太平洋の踊り、お互いのパフォーマンスのお披露目、おりがみ、けんだま、お習字の体験の頃には、初めての出会いとは思えない盛り上がり方。やっぱり同年代学生同士のパワーは違います。
土佐、黒潮町にある砂浜美術館では、まず「建物」がないことに「え!?」美術館の職員の方はもれなく他県からの移住者。それまで土地の人には当たり前の「砂浜」をそのまま、アートを展示する展示場に利用する取り組みを行っています。レクチャーではその熱い思いがびしびし伝わってきました。また、佐田の沈下橋のように、土地の人の普通の生活の場所、道路が、観光客には驚愕であり、感動であるものを目にし、自分たちの国にはどんなものがあるだろうか、さっそくディスカッションが始まりました。
参加した学生達は常に明るく積極的で、どこへ行ってもそこにいる人々とすぐうちとけ、覚えた日本語を使っていました。「ありがとうございます。」「よろしくお願いします。」はすっかり定着した様子です。
最終日の報告会では、今回のコースで得た様々な考察、感想が述べられました。参加者全員が必ず発言をするプレゼンテーションのマネージメントは好感が持てます。にぎやかさんもおとなしいさんもみんな一緒、巻き込むパワーは彼らの貴重な資質です。
「日本にまた戻ってきたい。」と、なみだを見せる一幕も。たくさんの思い出を胸にそれぞれの島(国)に帰国しました。この先、自分達の国での観光への取り組みを実践していく学生たちです。このプログラムの経験を自身の未来へ活かし、国の発展に貢献する人材になることを願っています。