JOCA沖縄

投稿日: 2022年12月15日

映画「オキナワサントス」上映会&トークイベント

 11月5日(土)に映画『オキナワサントス』上映会及びトークイベントを開催しました。
この映画は、第2次世界大戦中にブラジルのサントスで起きた日系移民強制退去事件を巡るドキュメンタリー映画です。

上映会後には、第7回世界のウチナーンチュ大会に合わせて来沖中のブラジル沖縄県人会の上原 Milton 定雄さん、島袋栄喜さんをゲストにお招きし、 監督の松林要樹氏の進行でトークイベントを開催しました。

トークイベントでは、取材の時のことや、上映会の事、政府への謝罪請求のことなどを聞くことができました。
会場の参加者からもたくさんの質問なども寄せられました。

質問に答えるブラジル沖縄県人会前会長 上原Milton 定雄氏

第二次世界大戦時、ブラジルの港町サントス市において、ブラジル政府が日系人に対し、24時間以内の強制退去を命じました。戦後、そのことの多くが語られず、体験者は年々少なくなっています。サントスの日本人会に残されていたリストには多くの沖縄県人の名前があったそうです。

 

ブラジル沖縄県人会では、ブラジル政府に対し当時の強制退去に対する補償なしの謝罪を求める動きも起こっていますが、事件についてまだまだ知られておらず、この事実を広めていく必要があると話されていました。映画やトークショーを通して、戦後長らく語れることのなかった出来事を知る貴重な機会となりました。

『群星』を紹介する松林要樹監督

〈参加者の感想〉

  • インパクトのあるポスターだったので去年からこのドキュメンタリーのことは気になっていましたが、どこで鑑賞できるのか分からなかったので今回この機会をいただきすごく良かったです。強制退去事件のことはポスターを通して知りましたが、死者も伴ったことは全く知らなかったです。今回トークイベントもあったのでより詳しく背景や状況を知る事ができました。「補償金を伴わない謝罪」という発想がウチナーンチュらしいな、と思いました。島袋栄喜さんのお話を聞いてブラジル沖縄県人会に入りたくなりました。「若い世代」のお話をされていましたが、沖縄に住む一般の「若くない世代」もどうにか関われないものか考えています。(一般、女性)

  

  • 偶然見つけた名簿の歴史的価値を見抜き、映像完成まで持っていった松林監督の見識に敬意を表します。同時にこの意義を認め最大限協力をした沖縄県人会及びブラジル沖縄県人移民研究塾の皆さんの協力に拍手を送ります。また、名簿の沖縄県人をすべて特定した県人のネットワークの強さに感服しました。他府県の空白部分が何とかして埋まることが望まれます。(一般、男性)

  

  • 映画ももちろん素晴らしかった(特に最後のおじいちゃんのシーンが印象的)が、映画監督やブラジル沖縄県人会の方々とのトークイベントがあったのが良かった。その中で、映画のなかではあまり描かれていない部分(私財が賠償されていない話やドイツと日本との違い、沖縄と他府県の県人会の動きの違い等々)まで聞けたのが良かった。また、世界のうちなーんちゅ大会に合わせて開催されたのが良かった。うちなーんちゅ大会のようなお祭り的な華やかな面ももちろん必要であるが、それだけでなく社会問題を一緒に共有できたりするような場もあっても良いかなと思うので。その意味において、移民史のなかでもあまり語られてこなかった部分(移民の方々がブラジル社会に溶け込むなかではハードルになってしまう歴史の暗部)を共有できる機会を得ることができた、とても有意義な取り組みであった。(一般、男性)

  

  • この映画を観るのは2回目ですが、登場人物の受けた苦しみや屈辱をさらに強く感じました。それでも彼らはブラジルに住み続けたという運命にも感動です。皆、とてもいい顔していましたね。一方トークイベントで、沖縄文化や精神が若い人たちに継承されてきていることに、たいへん嬉しく頼もしく思いました。これも、一世、二世たちの努力だと感無量の思いです。(一般、女性)

   

沖縄キリスト教学院大学×JOCA沖縄共催 おきなわ世界塾
映画「オキナワサントス」上映会&トークイベント

◆日時:2022年11月5日(土)13:00~16:00
◆場所:沖縄キリスト教学院 シャローム会館1‐1教室
◆ゲスト:映画監督 松林要樹氏、
     ブラジル沖縄県人会前会長 上原Milton 定雄氏、ブラジル沖縄県人会元会長 島袋栄喜氏
◆参加者人数:68名

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