10月の世界塾は「パレスチナ」をテーマに、映画「ガーダ パレスチナの詩」上映と監督の古居さんのトークイベントを開催しました。
会場には、JICA協力隊のパネルやNGO相談員のブースを設け、上映会の前後で気軽に質問ができるように対応しました。
今回上映した映画は、「ガーダ パレスチナの詩」。
主人公は、パレスチナ・ガザ地区で生まれ育った女性、ガーダ。
監督の古居さんが12年間ガーダを見つめ続けてきて、ガーダの婚約から結婚、出産を経て、反抗していたパレスチナの慣習を見つめなおし、自ら年配の女性たちに故郷の話や歌を聞き記録する活動をはじめ、新しい生き方を見出していく様子が映画に映し出されています。
パレスチナの人々の日常生活でありながら、しかし同時にイスラエルの占領下にあるということもまざまざと見せつけられる内容です。
映画は約20年前にでたものですが、今なお戦禍の中にあり、多くの人々が増大している暴力にさらされ、抑圧されていることを想うと、いたたまれない気持ちになります。
参加者は30名程度で、高校生から社会人、パレスチナのことを知りたくて参加された方から、既に行動している方たちと幅広い層の参加がありました。
上映後は参加者の皆さんの感想共有と、古居さんが映画を撮ることになったきっかけやその背景、パレスチナの地に生きる人々の様子やこれまで見てきたガザの占領の様子などが話されました。
今回の上映会&トークイベントがパレスチナを知る機会になった方もいれば、既に何かパレスチナへの暴力を止めるために声を上げている方々もいました。
‟それぞれの場所で、それぞれができることをやっていけたら。”
映画の最後に流れていたガーダさんの言葉が深く残ります。
未だに終わりの見えない状況の中にありますが、一国も早くパレスチナへの暴力が収束することを願ってやみません。
最後に参加者の皆さんの感想を一部抜粋して紹介します⇓
・パレスチナ問題に関心のある方との意見交換ができたこと。そして、パレスチナ問題を知るきっかけになりとても勉強になりました。
・映画を観て自分が想像していた物を遥かに超える現状があるのだと実感した。なんで撃つんだ? 理由なんてないという会話や平和が欲しい?のいうシーンなどで自分の故郷が、日常が奪われる悲しみの中を闘い続ける強さと、その反面どこか諦めかけているような人の様子が垣間見えて、何か力になりたいと強く思った。また、参加者との意見交換を通してたくさんの知識を持っている方や、実際にパレスチナの現状を知らせるために行動を起こしてる方々の話を聞けて、とても貴重な経験ができた。
・ムスリムの生活やパレスチナ・イスラエル問題の片鱗に触れることができ、今後のニュースや仕事について、より自分ごとに捉えることができそうです。
・参加して発言される方のお話がどなたもとてもステキだったこと。また古居監督とzoomで繋いてくださっていたことも、すごく良かったです。
・映画の冒頭でガーダさんが「習慣は誰が作ったの?神じゃなくて人でしょ?だったら変えられるわ。そして私がそれを変えてみせる」とおっしゃられた場面が心にグッと刺さりました。それは習慣にとどまらず、戦争を起こす、止める、やめさせるのも人間でそれぞれがその自覚と責任があると改めて感じました。沖縄県出身者として沖縄戦について学びを深めると同時に、パレスチナ問題も学ぶことで何かヒントであったり解決の糸口が掴めるのではないかと期待と責任を感じました。
・『(こんな事態になって)なぜ逃げないのだろう?と思っていたが、パレスチナの人々の生き方や信仰を観て、ただ故郷を忘れられないというだけでは無い深いものを感じた』と言っていた若い女性がいたが、『イギリスの3枚舌』や、シオニズムの矛盾、中東事情を知らないままこの問題の根を理解するのは難しいのだろうと思います。今回の上映に留まらず、シリーズにしてこの問題を取り上げていって下さい。
・今日は、古居みずきさんの「ガーダ パレスチナの詩」の詩を見ることができ、とても考えさせられるドキュメンタリーでした。早くパレスチナとイスラエルの人々の戦争が終わり、愛と平和のある場所に戻ることを強く願っています。
・このドキュメンタリーを作ってくれて、ありがとうございます。たくさんの人々が見て平和について考えるきっかけになって欲しいと思いました。